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KBBM

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社長からのメッセージ

我が国においては、大学等のアカデミアで発見または開発されたシーズが革新的なメディカルイノベーションになかなか結びついていない実態がある事は周知であり、その背景には医薬品等の研究開発において不可欠であるヒト生体試料(血液や病気の組織の一部といった生体試料:以下「バイオリソース」)を用いた開発前評価が困難であるという課題があげられます。また、患者様をはじめ人を対象とする臨床研究において、被験者様の負担の軽減という普遍的な課題の解決も医薬品開発おいて重要であることは言うまでもありません。 

患者様や健常者の方々からのご厚意で提供されるバイオリソースの利活用の途を開くことで、医薬品等研究開発における動物から人への応用の段階において、シーズの有効性と安全性をバイオリソースを用いて直接的に検証したり多くの分子生物学的解析データと臨床情報を関連付けながら病態を解析する事は、研究開発シーズ選定の効率化と迅速化につながると確信しています。そして、臨床研究の効率化と迅速化にもつながるとともに、臨床研究参加者の負担の軽減に資する事を含めて、よりよい医療をいち早く患者様に届ける近道に繋がる重要な解決策と考えております。

当社は京都大学と連携する事により研究開発の早期の段階からヒト生体試料への効率的なアクセスを可能とし、効率的な研究開発が実施出来る仕組みの構築を目指して2018年3月1日に設立されました。

この目標を実現するためには、従来の1医療機関、1企業の力では限界があり、京都大学を中心とした「クリニカルバイオリソースを活用した「産」in「学」」のモデルの創案の下、医学部附属病院クリニカルバイオリソースセンターにおいて収集する患者様、健常者の方々由来のバイオリソースについて、これらを迅速かつ効果的に研究に用いることができる高度な管理体制と、継続性のある研究基盤体制を、株式会社エスアールエル、株式会社椿本チエイン、シスメックス株式会社、株式会社アスクレップ、株式会社島津製作所、富士通株式会社及び株式会社SCREENホールディングスの民間企業7社の共同体制で構築し、“Kyoto Bridge for Breakthrough Medicine”革新的医療への架け橋の想いを込めて合弁会社KBBMと命名致しました。

会社事業の内容については企業やアカデミアからバイオリソースを用いたワンストップ早期臨床研究開発支援サービスを行う収益事業と、新規創薬ターゲットバイオマーカー探索及びオルガノイド等の加工細胞を用いた薬剤感受性耐性評価系の確立及びその製品化の研究開発事業の二本の主要事業で構成されており、構築初期はがん疾患に着手しますが事業の拡大と共に難病や生活習慣病等の疾患を問わずPrecision Medicineを目指した研究開発の領域を広げ、医療開発への貢献を進めて参ります。収益事業で得られた収益は研究開発事業に供され、継続的な研究開発事業の推進を可能としている事が特徴です。

バイオリソースの利活用に当たっては、ご協力をいただいた患者様、健常者の方々の個人情報やプライバシーの保護など、個々人の尊厳や研究倫理の遵守が求められるともに、バイオリソース事業の公共性の維持も重要となりますので、倫理的な観点からの監督・管理を充実し、安心して提供のご協力を頂ける環境を作る事と、利用される方々においても安心して研究開発を実施頂ける基盤を構築する事が重要な事と考えております。

当社では高度な倫理性の確保を目的として、我が国において例をみない独自の倫理ガバナンスモデルを京都大学と構築し、京都大学と株式会社KBBMや同社参画企業との間で各種契約を締結するのみならず、京都大学が設立した一般社団法人バイオリソース事業ガバナンスホールディングスによる拒否権付種類株式の保有を通じて、株式会社KBBMの事業活動全体の倫理面を規律するスキームにより倫理面および安全面を強化いたしました。 

京都大学及び弊社は、患者様の治療成績とQOL向上といったベネフィットの還元が最も重要な視点と考えており、バイオリソースを用いたのワンストップ早期臨床研究開発支援サービスをご利用される研究機関や医薬品開発を行う企業様から得られた収益を、京都大学のワンストップバイオリソース事業や臨床研究の基盤強化、病院医療基盤などのインフラ整備等に充てる事により、患者様への還元を図って参ります。これらにより京都大学医学部附属病院において収集されるバイオリソースを適切な監督・管理の下で提供する仕組みの中で、提供者個人の権利の保護、本事業の公共性の維持を図りながら、医薬品・医療機器の研究開発のイノベーション、患者さんの利益に資する革新的で効果的な医療の実現に貢献することを目指して参ります。

株式会社KBBM 
代表取締役社長  田澤裕光